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つづき
頂上祠で山伏格好の中年男性と若い女性が神主と祈祷を行っていた。
理由は分からない。我々
も神主の許可をいただき、噴火犠牲者・山岳遭難者の供養のため般若心経を一巻唱えた。
幸いメンバー4名全員、巡礼経験者だった。私は御嶽神社の有料お札をいただいた。
頂上を後にする。昼食時間だが、頂上滞在は短時間にしたい。ガシガシ下って、
石室山荘で昼食。
疲れた。3日目の疲れがドッと出ていた。座敷に上がりビアをいただく。
ったかウドン」を頼んで食べた。ウドンはイイ出汁が出ていた。
山荘の主人は温かい方だった。噴火時の話を聞く。噴石はここまで
直線距離で1kmくらいだが飛んでこなかったという。
ただ、空は真っ黒で地鳴りが恐ろしかったそうだ。奥様は悲鳴を上げて
半狂乱だったという。その後、噴石に備え屋根を二重構造に補強したという。
正に生涯にあるかなしかの経験をした。頂上の御嶽神社の神主は、
噴火日9月27日は、既に下山済で難を逃れた。
下りは、3日間の疲れで、時々、足がもつれた。下りでも十分足が上がらず時々、
引っ掛かる。特に左足がおかしい。いよいよ歳か。困ったものだ。
女人堂上まで下ると、行者装束の若い衆が上って来た。聞けば保科君といい、
御嶽神社の神主という。まだ30半ば。
先ほど私がいただいた頂上御嶽神社に今日から寝泊まりするという。
今いる方は下山するそうだ。荷は20kgくらい。お酒も飲むそうだ。
イイ若い衆で、何だかんだ20分ほど話し込んでしまった。他の下山者は、
そそくさと下るが、このような機会は少ない。貴重な交流だ。
つづく
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